【マネジメント新時代】自動車部品メーカーはEV化とMaaS化に照準を (1/3ページ)

2018年3月期連結決算について、記者会見するトヨタ自動車の豊田章男社長=5月9日、東京都文京区
2018年3月期連結決算について、記者会見するトヨタ自動車の豊田章男社長=5月9日、東京都文京区【拡大】

 □日本電動化研究所代表取締役・和田憲一郎

 最近、自動車部品メーカーからの相談が増えてきた。特に、ガソリン車の部品や素材を扱っている企業が多い。企業業績は順調であるものの、経験が深い経営者は、そろそろ景気後退や、突発的なショックが近いことを予測してのことであろうか。今回は、景気変動に影響されやすい自動車部品メーカーは、どのような生き残り策を考えればよいのか考えてみたい。

 18年3月期は最高益続々

 日系自動車メーカーの2018年3月期の決算は、トヨタを筆頭に過去最高の収益を出している企業が多い。しかし、19年3月期の予想は、一転して、三菱自動車を除く6社が営業減益と言われている。理由として研究開発費の増大、円高などが挙げられている。

 筆者はそれもあるが、アメリカ市場でインセンティブ(販売奨励金)が増えていること、かつ各国の環境規制強化により、自動車メーカーの体質改善が求められていることがあると思われる。これまでのガソリン車・ディーゼル車から、新エネルギー車と呼ばれる電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、それに燃料電池車への変更はかなりの痛みが伴う。単にパワートレインを変えるということだけでなく、試験設備、開発手法なども含めて、これまでのガソリン車開発から根本的に見直さなければならない。

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