
日産自動車のカルロス・ゴーン会長(ゲッティ=共同)【拡大】
日産自動車は26日、横浜市内で定時株主総会を開いた。議長を務めたカルロス・ゴーン会長は、改めて仏ルノーとの経営統合に否定的な考えを示唆。株主からは、新車の無資格検査問題でゴーン氏に謝罪を求める厳しい質問も出た。
ゴーン氏は冒頭、仏ルノー、三菱自動車とのアライアンス(企業連合)について説明。「2017年にはアライアンスで1060万台以上を販売し、乗用車で世界首位となった。22年には総売上高25兆円を達成し、1400万台以上を販売する計画だ」と胸を張った。
焦点となっているのは、ゴーン氏が将来、退任した後も連携を続けていける組織的な手当てだ。現在の企業連合は、3社の会長を兼務するゴーン氏の個人的なリーダーシップに依存しているからだ。
しかし、ルノーの大株主であるフランス政府はルノーと日産の経営統合を求めているとされ、事態は複雑になっている。
これについてゴーン氏は、「アライアンスの持続可能性を担保する手段は複数考えられるが、会長として今後も日産の業績向上と株主の利益を守ることを約束する」と強調した。三菱自の総会でも議長としてルノーとの経営統合を否定しており、改めて日産の独立性を守る考えを示したもようだ。
質疑では、昨秋発覚した新車の無資格検査に対して厳しい意見も出た。ある株主は、質問を受ける株主を7人程度に限定するゴーン氏の議事運営を批判。「さっさと片付ければ1年間は安泰。あたかもそのような運営に見えることが問題だ」と述べた。