アイシン、生き残りへ事業再編 資金や人材をEV向けに投入

 トヨタ自動車グループの部品大手、アイシン精機の社長に6月就任した伊勢清貴氏(63)は20日までに、共同通信のインタビューに応じ「生き残りを懸けて手段を選ばず何でもやる」と述べ、グループ各社と連携して事業の見直しや再編を進める考えを示した。

 これまでもデンソーとのブレーキ事業集約、トヨタ自動車のフィリピンにある手動変速機生産会社の子会社化などトヨタグループ企業と事業の効率化に取り組んできた。アイシンのグループ会社も214社に上るとして「重複がかなりある。無駄を見直してしっかり減らしたい」と述べた。

 電気自動車(EV)などの普及で、アイシンの主力事業である駆動部品も電動化が進んでいくとし「そこにどうやって経営資源を集中できるかだ」と強調。再編で捻出した資金や人材を需要が見込まれるEV用モーターなどに振り向けるとした。2019年3月期に2000億円を計画する研究開発費も、20年3月期以降の増額を目指す。

 18年3月期は北米や中国市場が好調で過去最高益だったが「自動車業界は100年に一度の大変革期。(業績が)下がる前にやらないと間に合わない」と事業見直しを急ぐ。

 伊勢氏はトヨタ自動車専務役員を経て、18年1月からアイシン精機副社長。6月19日に社長に就いた。