一眼レフ2強、ソニー猛追 キヤノンとニコン、ミラーレス高級機を投入

キヤノンのミラーレス一眼カメラの新製品「EOSR」=5日、東京都港区
キヤノンのミラーレス一眼カメラの新製品「EOSR」=5日、東京都港区【拡大】

 キヤノンは、「フルサイズ」の大型画像センサーを搭載したミラーレスカメラ「EOS R」を10月下旬発売する。同社のミラーレスとして初の高級機種だ。競合するニコンも今月下旬に「Z7」を投入。ミラーレスの高級機市場はソニーが席巻しているが、一眼レフカメラの2強が本格的に参入し、いよいよ役者がそろう。

 キヤノンの真栄田雅也社長は「伝統と技術を継承しながら、新たな可能性を追求する」と5日の製品発表会で胸を張った。

 新機種は、新開発のレンズ規格を採用した。既存レンズは専用アダプターを取り付けて使う。レンズ設計の自由度や本体・レンズ間の通信といった機能の向上が狙いで、ニコンと同じ戦略をとった。一方、本体価格は23万7500円(公式サイトでの予価)と「Z7」より4割低い。「幅広く浸透させるための値付け」(坂田正弘キヤノンマーケティングジャパン社長)という。

 両社に対しては「ミラーレスへ軸足を移すのでは」との見方も広がる。それだけにキヤノンは、一眼レフ愛好家へ向けた既存規格レンズの新製品を「EOS R」と同時発表。ニコンの牛田一雄社長も「一眼ファンは根強い」と強調する。

 ただ、“戦線”を広げれば開発投資が分散するのは避けられない。今後は、スマートフォンに押されて市場縮小が続くコンパクトデジタルカメラへの対応も焦点となりそうだ。