【マネジメント新時代】AIで渋滞解消 日本での実現に壁 (1/3ページ)

お盆休みのUターンラッシュで渋滞する東名高速道路の上り線=8月14日、神奈川県綾瀬市
お盆休みのUターンラッシュで渋滞する東名高速道路の上り線=8月14日、神奈川県綾瀬市【拡大】

 □日本電動化研究所代表取締役・和田憲一郎

 人工知能(AI)を活用するビジネスは隆盛となっている。ロボット、自動運転車など、AIを活用した例は枚挙にいとまがない。さらなる進展例として、中国杭州市では、アリババグループと杭州市がタッグを組んだAIシステムで、これまでひどかった市内の渋滞をほぼ解消したとのニュースが報道された。では、このようにAIを活用した都市交通の最適化を実現するために、マネジメントはどのような視点で考えなければならないのであろうか。この課題について考えてみたい。

 中国杭州市で官民連携

 交通渋滞といえば、高速道路を思い出すであろう。ゴールデンウイークやお盆の時期など、数十キロに及ぶ交通渋滞が報道されている。いうまでもなく、最大の要因は運転者の交通集中にある。通常、高速道路を運転していなかった人でも、この時期になるとやむを得ず利用する人が急増する。

 また、交通渋滞が発生する個所としては「サグ部」と呼ばれる、下り坂から上り坂にさしかかる凹部が多いとされている。これはドライバーがサグ部の上り坂では無意識に速度が低下し、その結果、後続車は車間距離が短くなったため、ブレーキを踏み、次第に渋滞が増す現象である。

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