日本橋をベンチャーの一大拠点へ 三井不がプロトスターと提携、支援体制強化

プロトスターの栗島祐介代表取締役(左)と三井不動産の菅原晶・ベンチャー共創事業部長
プロトスターの栗島祐介代表取締役(左)と三井不動産の菅原晶・ベンチャー共創事業部長【拡大】

 三井不動産は19日、ベンチャー企業の支援態勢を強化するため、国内最大級のベンチャーコミュニティーを運営するプロトスター(東京都中央区)と提携したと発表した。三井不動産が本社を置く日本橋(同)に多くのベンチャーが集積する仕掛けをつくっていく。丸の内や虎ノ門といった都内の大型再開発地域では街の活性化を図るため、ベンチャー争奪戦が激しさを増している。大型ビルの開業を契機に起業の街として渋谷が再び脚光を浴びているが、三井不動産は今後5年間で日本橋を渋谷以上のベンチャーの一大拠点へと発展させる計画だ。

 同社は「31VENTURES(サンイチベンチャーズ) Clipニホンバシ」(同)という拠点を活用してベンチャー支援活動を展開している。今回のプロトスターとの提携により、同社のルートを通じ有望ベンチャーを発掘。大手企業とのマッチング機会の提供などに力を入れる。

 対象となるベンチャーは建築や製薬、ロボット、RPA(ロボットによる業務自動化)など幅広い業種を想定している。

 2010年以降に設立されたベンチャーで、5000万円以上の資金調達に成功した企業は中央区だけで70社を超える。今回の提携を機に倍増させ、渋谷を上回る規模にまで増やしたい考えだ。

 三井不動産は東京ミッドタウン日比谷(千代田区)に「Base Q」というインキュベート拠点を設置している。今後は大企業の新規事業創出を担わせ日本橋との棲み分けを図っていく。同社の菅原晶ベンチャー共創事業部長は一連の戦略によって「新しい産業の創出に寄与したい」と話している。