米製薬会社のムンディファーマは、うがい薬として知られる「イソジン」ブランドののど飴(あめ)を世界に先駆けて日本で発売している。来日したラマン・シン最高経営責任者(CEO)は、フジサンケイビジネスアイの取材に応じ、うがい薬など市販薬(OTC)分野と、のど飴など医薬部外品分野を総合感染対策のツールとしてイソジンのブランド力を強化し、日本での事業拡大を図る考えを示した。
トップシェア目指す
--のど飴を発売した。特徴は
「イソジンは殺菌力の高いうがい薬として知られているが、今回ののど飴は上気道の保湿を目的としたもの。亜鉛や柑橘(かんきつ)類に含まれるヘスペリジンなど、のどに良い成分を含むが、殺菌や消毒能力はない。フレッシュレモンやはちみつ金柑、ペパーミントの3つの味を用意。幅広い年齢層にイソジンブランドを広げたい」
--イソジンのブランド強化で、のど飴が果たす役割は
「当社では数年前から総合感染対策のブランディングに取り組んでいる。日本で55年以上前から販売されているうがい薬は、ポビドンヨード(PVPI)を有効成分とし、茶色いうがい薬として認知度が高い。最近ではPVPIを含まない透明なうがい薬も投入、うがいの習慣化を働きかけてきた。うがい薬の国内シェアも40%を確保している」
「一方で、風邪などから身を守るには、口内や上気道の保湿が重要と考え、のど飴の役割が大きいと判断した。販路が薬局などに限られる、うがい薬などに比べ、のど飴はコンビニエンスストアやスーパーなど販路が広い。市場規模も8億ドル(約900億円)と大きいのも魅力。ぜひトップシェアを取りたい」