ルノー、ゴーン容疑者の解任先送り ナンバー2を暫定トップに決定

ティエリー・ボロレ氏(左)と握手するカルロス・ゴーン容疑者=2月、フランス・パリ郊外のルノー本社(共同)
ティエリー・ボロレ氏(左)と握手するカルロス・ゴーン容疑者=2月、フランス・パリ郊外のルノー本社(共同)【拡大】

 フランス自動車大手ルノーは会長兼最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受け、20日に臨時取締役会を開き、ナンバー2のティエリー・ボロレ最高執行責任者(COO)をCEO代理に就任させる人事を決めた。暫定トップとしてルノーを率いる。ゴーン容疑者の会長兼CEO職からの解任は先送りした。

 ルノーの声明によると、会長代行にはフィリップ・ラゲイエット社外取締役が就く。ゴーン容疑者の処遇は事件の進捗(しんちょく)状況を見て判断することになる。

 ルノーは声明で、ボロレ氏がゴーン容疑者と「同じ権限を握る」と説明。日産に内部調査で得られた事件に関する情報の提供を求めることも決めた。三菱自動車を含めた3社で組む企業連合の結束は維持する考えを示した。

 フランスのルメール経済・財務相は20日、公共ラジオのインタビューで、ゴーン容疑者の解任を求めるには「(根拠となる)証拠がない」と説明した。フランス政府はルノーの筆頭株主で、経営に一定の影響力を持つ。

 ゴーン容疑者は2005年にルノーCEOに就いた。ボロレ氏は有力な後継候補とされてきた。最高競争責任者を経て、今年2月にCOOに就任した。国際自動車ショーに登場するなど、権限委譲が進みつつあった。(フランクフルト 共同)