今後も中国で勝手に商標出願されるケースが続く恐れがある。さらに、異議申し立ては、1件あたり約50万円と決して安くはない金額が必要なため、コスト面での課題も残る。
この問題については、仁坂吉伸・和歌山県知事も怒りを隠さない。11月中旬の定例会見で報道陣に問題のロゴがプリントされた資料を見せながら「こんなことでもうけようとする人が跋扈(ばっこ)しているなんて、とんでもない国。われわれはずっと見張っているので見つけたら片っ端から異議申し立てをしていく。コストはかかりますけどね。非常に不愉快だ」と語った。
田中組合長も、ただ審査の結果が出るのを待っているわけではない。先手を打って中国商標局に「紀州へら竿」を商標登録することを考えている。具体的にどう進めていくかは検討中だが、田中組合長は「待っているだけではだめだ。何とかこちらから攻めていかなければ」と話す。
結果が出るまで数年はかかる今回の問題。「紀州」のブランドを守るため、中国の「不届き者」を相手にした製竿組合と和歌山県の闘いは続いていく。