目の不自由な人や、携帯電話やスマートフォンを操作中の人がホームから転落する事故が後を絶たない。事故防止にホームドアの設置が求められているが、思うようには普及が進んでいないのが実情だ。足かせとなっているのは、高額の設置費に加え相互乗り入れという都市圏ならではの事情も絡んでいる。
国土交通省のホームドアの整備促進等に関する検討会が平成23年8月に発表した中間まとめでは、1日の利用客が10万人以上の混雑した駅などにホームドアの設置が望ましいとし、約5年以内の整備を促した。
ただ、該当する全国235駅のうち、ホームドアなどが設置されているのは34駅だけ(24年9月時点)。今回事故のあった中野駅も1日平均約12万2千人(23年度、乗車客のみ)の利用があるが、未設置だった。
整備が進まないのは費用の問題だ。国交省によると、駅の規模で異なるが、1駅で約3億円の費用がかかるという。古い駅はドアの重量に耐えるようホームの補強工事も必要となり、十数億円にはね上がる。