一方、謎が多く残っているのが、当時定期検査中で圧力容器内に燃料がなかった4号機の爆発だ。調査では、4号機が3号機と共有している排気配管から水素が流れ込み爆発に至ったとされる。だが、国会事故調では「3号機から逆流した水素のみで4号機が爆発にまで到達するかどうか慎重に検討する必要がある」との指摘もある。(原子力取材班)
班目・元原子力安全委員長
■「規制委に専門家いない」
班目春樹氏は産経新聞のインタビューで、事故の教訓が生かされていないと指摘し、「原子力規制委員会には原子力安全の専門家がいない」と言及、規制委の閉鎖性を問題視した。主なやりとりは次の通り。
--当時、首相に「水素爆発はない」と助言した
「格納容器内には酸素がないので水素爆発はないと説明した。その後、格納容器から漏れ出た水素が格納容器の外側で空気の中の酸素と混ざり爆発した。予告できなかった自分を呪った一方で、不幸中の幸いとも感じた」