大手総合電機メーカー「東芝」(東京都港区)のフラッシュメモリーの研究データを不正に持ち出し、韓国の半導体大手「SKハイニックス」に提供したとして、警視庁捜査2課は13日、不正競争防止法違反(営業秘密開示)容疑で、業務提携していた半導体メーカーの元技術者、杉田吉隆容疑者(52)=北九州市=を逮捕した。海外の企業に技術を流出させたとして刑事事件に発展するのは異例で、捜査2課は全容解明を進める。
捜査関係者によると、問題になっているのは、東芝の主力商品で、スマートフォン(高機能携帯電話)や携帯音楽プレーヤーなどに使われる「NAND型」のフラッシュメモリー。
逮捕容疑は、平成20年、東芝とフラッシュメモリーの製造事業で業務提携していた「サンディスク」の技術者だった際、東芝の開発拠点の四日市工場(三重県)で、NAND型関連の最新の研究データを不正にコピーし、転職先のSK社に渡したとしている。