総合資源エネルギー調査会原子力小委員会の初会合に臨む有識者ら=19日、経済産業省【拡大】
経済産業省は19日、原子力政策の見直しに向けた課題を議論する総合資源エネルギー調査会原子力小委員会の初会合を開いた。原子力発電所の廃炉を円滑に進めるための方策や、競争が激しくなる電力自由化後も巨額の資金を必要とする原発を維持する仕組みなどを検討する。4月に閣議決定したエネルギー基本計画の具体化を図り、今年度内をめどに取りまとめる。
委員長には製品評価技術基盤機構の安井至理事長が就き、前防衛相の森本敏・拓殖大特任教授や福井県の西川一誠知事などの有識者が委員を務める。
エネルギー基本計画では、原発を「重要なベースロード電源」と位置づける一方で、原発依存度を「可能な限り低減させる」との方針を盛り込んだ。今後、老朽化した原発の廃炉が全国で増えるとみられ、廃炉作業を担う人材の確保や技術の維持が欠かせない。新型原発の導入で安全性の向上を図るといった観点からも、原発のリプレース(廃炉後の建て替え)や新増設に関する今後の方針を明確にする必要がある。