外務省は18日、平成31年度に導入する新たな旅券(パスポート)に、葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」のデザインを採用すると発表した。出入国の際にスタンプを押す査証欄に取り入れる。日本を象徴する富士山や、江戸時代の町人の暮らしを描いた美しい伝統文化をアピールする。
図柄は「赤富士」と呼ばれる「凱風快晴」や、富士山に降りかかるような大波を描いた「神奈川沖浪裏」などえりすぐりの24作品。富嶽三十六景はデザインが複雑で、旅券のページごとに図柄が異なるため、偽造防止の効果も期待できる。
これまで査証欄には「桜」をモチーフにした柄を使っていた。
外務省は約5年に1回のペースで、偽造防止のため旅券に改良を加えてきた。今回のデザイン変更には、東京五輪・パラリンピックをにらんだ水際対策強化の側面もある。