【eco最前線を聞く】クラレ 低コスト、コンパクトな排水処理両立 (1/3ページ)

2016.11.28 05:00

クラゲールの外観(クラレ提供)
クラゲールの外観(クラレ提供)【拡大】

  • 拡大したクラゲールの表面(クラレ提供)

 ■クラレ アクア事業推進本部アクア販売部・成重大知氏

 クラレは環境領域での新事業創出・拡大に、水処理を主体とするアクアビジネスの拡充を進めている。中核をなすのは独自開発した樹脂を用いた産業・水道・医療用分野での排水処理技術で、アクア事業推進本部アクア販売部の成重大知氏は低コストでコンパクトな設備設置を両立できるメリットを売りに「国内にとどまらず、需要拡大が見込める海外の市場開拓にも注力する」と意欲をみせる。

 ◆初期投資も抑制

 --アクアビジネスの特徴は

 「工場や下水処理場などで発生する排水の処理技術としては、排水に浮遊させた微生物に排水中の有機物を餌として食べさせ、沈殿した微生物を取り除き浄化する『活性汚泥法』が主流になっている。当社は微生物を付着させる担体に独自に開発した生物親和性の高いポリビニルアルコール(PVA)を原料とする直径4ミリほどの白い球状樹脂『クラゲール』を用いている。これに排水を濾過(ろか)する中空糸膜と活性炭を組み合わせ、排水処理システムとして提供している」

 --クラゲールの利点は

 「一般的な活性汚泥法に比べ、クラゲールは有機物を分解する能力が約6倍ある。20ミクロン前後の極小の穴が表面から内部まで網状につながり、1粒当たり10億の微生物がビッシリ増殖できる。その結果、処理能力が高まり、コンパクトな設備が可能になる。従来の活性汚泥法は排水量に対して適切な微生物濃度が必要で、排水量が2倍になれば設備の大きさも2倍必要だった。クラゲールを用いるとこの難点が解消され、小さな設置面積での処理が可能となり、その結果、初期投資も抑えられる」

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