他人のiPS細胞移植手術へ 世界初、今年前半にも目の細胞再生

2017.2.2 06:17

 重い目の病気の患者に、他人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜の細胞を移植する手術を厚生労働省の専門部会が1日、了承した。国の審議は終了し、週内にも厚労相が正式に通知を出す。

 他人のiPS細胞を使う移植は世界初。理化学研究所や神戸市立医療センター中央市民病院を中心とするチームは、今年前半の手術を目指している。

 理研などは2014年、患者本人から作ったiPS細胞を使った移植を初めて実施した。あらかじめ備蓄してある他人のiPS細胞を使えば、移植まで11カ月かかった期間を最短1カ月に短縮でき、約1億円の費用も5分の1以下になると見込まれる。

 専門部会は安全性を審議。理研の高橋政代プロジェクトリーダーらが、動物実験や細胞の遺伝子解析から移植後にがん化する危険性は考えられないと説明したのを了承した。

 計画は視野がゆがみ視力が低下する「滲出型加齢黄斑変性」の患者5人程度が対象で、再生医療の臨床研究として実施する。移植しても拒絶反応が少ない型の人から京都大が作り備蓄しているiPS細胞を使う。

 理研多細胞システム形成研究センター(神戸市)が網膜細胞に成長させ、市民病院と大阪大が網膜細胞を含んだ溶液を患者の目に注入して移植する。京大は先月、試薬を取り違えた可能性があるとして備蓄細胞の提供を一部停止したが、今回使う細胞には影響ないとしている。

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