ビットコイン消失、カルプレス被告「私は無罪」 起訴内容を全面否認

マルク・カルプレス被告
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 仮想通貨「ビットコイン」(BTC)取引所「マウントゴックス」(東京、破産手続き中)のBTC消失事件で、業務上横領などの罪に問われたマウント社最高経営責任者(CEO)マルク・カルプレス被告(32)=仏国籍=の初公判が11日、東京地裁(入江猛裁判長)で開かれた。カルプレス被告は「私は無罪です。顧客の金を不正に使ったことは一切ない」と起訴内容を全面的に否認した。

 起訴状によると、平成25年2~4月、不正操作でBTC取引システムの自らの口座残高を計500万ドル水増ししたほか、同年9~12月、顧客の資金を管理していたマウント社の銀行口座から計約3億4100万円を外部の銀行口座に送金し着服するなどしたとされる。

 検察側は、着服した金額のうち3億1500万円は、カルプレス被告が代表を務める別会社が他社のソフトウエア開発販売事業を買収する目的だったと指摘。約600万円は天蓋付きベッドの購入費用に充てていたとしている。

 事件をめぐっては、マウント社が26年2月、計約85万BTC(当時のレートで約480億円相当)と現金約28億円が消失したと発表。「外部からのサイバー攻撃を受けた可能性がある」と説明していた。地裁に民事再生法の適用を申請して経営破綻し、同年4月に破産手続きが始まった。

 警視庁が27年に業務上横領容疑などで3回にわたり逮捕。東京地検が同年9月に起訴、11月に追起訴した。