原因特定の行方は? 「でりしゃす」全店舗が閉店で検査中止

フレッシュコーポレーション本社が入るオオタ・コア・ビル=太田市新井町(平田浩一撮影)
フレッシュコーポレーション本社が入るオオタ・コア・ビル=太田市新井町(平田浩一撮影)【拡大】

 東京都の3歳女児が亡くなった腸管出血性大腸菌O157感染問題は、群馬、埼玉、栃木の系列総菜店全17店が閉鎖する事態となった。20日、閉店を発表した運営元のフレッシュコーポレーション(太田市)は原材料の精査を中心に調査を継続する意向だが、立ち入り検査を実施していた県は全店閉店の決定を事前に知らされておらず、驚きとともに「残念だ」と語った。入り組んだ感染原因の特定はどうなるのか。手詰まり感をにじませた。

 県などは15日以降、県内にある系列店12店舗の立ち入り検査を実施、20日現在で8店舗の検査を終え、22日までに終了させる予定だった。突然の閉店に県は検査の中止を余儀なくされ、「(同社側から)連絡はなく、ホームページ(HP)を確認して気づいた。『でりしゃす』には営業を継続してもらうことを念頭に検査していた」と驚きを隠さない。検査は「再開後の衛生管理」「マニュアルの履行状況」などを軸に実施、8店舗に対し「問題ない」との結論をだしていた。

 感染者11人を出した「でりしゃす六供店」(同市六供町)を検査した前橋市保健所は、検査で菌は検出されなかったものの商品を取り分けるトングの扱いをはじめ、ずさんな衛生管理態勢から“二次汚染”を強く疑っていた。新たな事態に「閉店してしまった以上、衛生確認をしても仕方がない。調査には問題ない」と受け止めている。県は同保健所の判断を「疫学的な判断」と評している。

 原因特定へ向け、調査はどのように進展するのか?

 同社は「衛生管理体制と感染状況は別」と主張し、11都県で遺伝子型の同じ菌が検出されていることを根拠に、あくまで感染源となった「共通の食材がある」とみて、調査する。厚生労働省も同様に感染者が口にした食材の特定を目指し県への協力依頼も済ませた。一方、県や店舗のある自治体は、立ち入り検査ができない以上、「実際、『ここを調査すれば』というのはない」というのが現状だ。