【高論卓説】福田財務次官の辞任 美人を配属して情報収集 メディアと官庁の関係に“不都合な真実” (1/3ページ)

福田淳一氏=4月18日午後、東京・霞が関(春名中撮影)
福田淳一氏=4月18日午後、東京・霞が関(春名中撮影)【拡大】

 「福田ですが、○○さんいますか」

 経産省時代、より正確には内閣官房行革事務局(当時)に出向していた際、今、話題の福田氏(前財務次官)から上司宛ての電話をしばしば取り次いだ。当時の上司は財務省からの出向者であった。

 福田氏は予算を査定する財務省主計局にいたのだが、「行革事務局に厚労の主計官が何の電話だろう? 仕事の関係はほぼないはずだが?」といぶかしく思って聞き耳を立てていると、何のことはない、大体、マージャンのお誘いの電話であった。

 私は当時の上司とは、政策的な意見はしばしば合わなかったが、仕事の進め方や攻める勘所、パーッと飲んで歌っておごるという部下との接し方、その他大変に学ぶところが多く、今も敬愛している。その上司が、先輩の福田氏の仕事ぶりを激賞していたことが印象深い。福田氏はやるときはやる男だと。

 優秀な官僚には2つの類型がある。真面目にルールに従って頑張るタイプ(堅実型)と、やるときと遊ぶときとのメリハリを付けるタイプ(突破型)だ。受験生と変わらない。前者は宿題をきっちりやり、後者は「テストさえ良ければいいんだろ」と宿題は往々にしてやらない。近年、突破型が減って絶滅危惧種となり、堅実型が圧倒的に多い。

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