「テックビューロ」被害の流出仮想通貨、3万件に分散 追跡をかわし現金化が目的か (3/3ページ)


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 事後対策も重要

 2つの流出ではいずれも、常時インターネットに接続されている保管場所に置いてある仮想通貨が標的となった。

 ネットを通じて取引をするという交換サイトの特性もあり、面准教授は「仮想通貨システムへの不正アクセスを百パーセント防ぐことは不可能」と指摘。その上で「アクセスされた後を想定した事後対策も重要。早期に気付く態勢を構築して仮想通貨の動きを追跡すれば、攻撃者の現金化などの動きを封じ込める効果がある」と提言する。

【用語解説】仮想通貨

 インターネット上で流通する財産的価値がある電子データ。ビットコインやイーサリアムが代表的で、匿名性が高く、中央銀行のような管理者がいないのが特徴。銀行を介さずに商品の購入や海外送金ができ、手数料が安いのが利点とされる。専門の取引所を介して円やドルと交換できる。1月のコインチェック流出問題以降、金融庁は仮想通貨交換業者に立ち入り検査を実施し、業務改善命令を出した。