三菱重工の元徴用工裁判、29日に判決 韓国最高裁、賠償命令の可能性

 韓国最高裁は19日までに、韓国人元徴用工5人が三菱重工業に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決を29日に言い渡すことを決めた。最高裁は10月30日に新日鉄住金に賠償を命じる確定判決を言い渡しており、今回も同様の判断を下す可能性が高い。

 10月30日以降、同種訴訟での判決は初めて。日本政府は、個人請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みとして、新日鉄住金への賠償命令に強く反発している。今後、下級審でも判決が予定されており、日本企業への賠償命令が相次げば、日韓関係が一層冷え込みそうだ。

 原告は44年から広島市の旧三菱重工の機械製作所などで強制労働させられ被爆したとして、2000年に釜山地裁に提訴。1、2審は敗訴したが、12年に最高裁が個人請求権を認めて差し戻した。これを受け釜山高裁は13年に、1人当たり8000万ウォン(約800万円)を支払うよう命じる判決を言い渡し、三菱重工が上告していた。韓国最高裁は10月30日「日本政府の不法な植民地支配と直結した日本企業の不法行為を前提とする強制動員被害者の請求権は、協定の対象に含まれない」として請求権は消滅していないと判断。新日鉄住金の上告を棄却した。判決以降、韓国の一部団体が追加訴訟を起こす構えを見せている。(ソウル 共同)