就職活動中の若者の間には、明確な定義がないまま「ブラック企業」という言葉が一人歩きしている【拡大】
就職情報会社「ディスコ」(東京都)が来春卒業予定の学生約1300人を対象にした調査によると、就職先を決めた理由に「大手」や「有名企業」を挙げる割合がいずれも約25%を占め、2年前より各約10ポイントも上昇した。
一方で、「仕事内容が魅力的」という理由を挙げる割合は2年前から約12ポイント下落し、約30%にとどまった。関係者は「情報の少ない中小企業をブラック企業の可能性が高いとみて避けている」と分析する。
対策進むも効果は…
過剰なブラック企業の警戒は就職活動の幅を狭め、雇用のミスマッチをますます拡大させる恐れがある。
危機感を抱いた厚労省は、若者と中小企業の「橋渡し」をしようと、今年度、新卒者や若者の定着状況などを公表する中小企業を「若者応援企業」と認定する施策を全国の各労働局で始めた。
認定を受けるには7つの条件をクリアしなければならない。過去3年度分の新卒者や若者の定着状況▽前年度の有給、育休の取得状況▽前年度の月平均の残業時間-など、企業側があまり知られたくない情報を公にすることもそのひとつだ。