アクリフーズが昨年12月30日、新聞に出した回収に関する社告。対象商品は「アクリフーズ群馬工場」と記載されている商品としていた【拡大】
昨年暮れに問題が発覚したマルハニチロホールディングスの子会社「アクリフーズ」群馬工場(群馬県大泉町)の冷凍食品農薬混入事件。プライベートブランド(PB=自主企画)商品の中に製造者名の記載がないものがあり、回収をめぐって混乱が見られた。既に販売した商品の回収は誰が責任を負うのか、企業の姿勢が問われている。(平沢裕子)
表示見直し検討
今回、回収対象となった49品目のうち20品目がPB商品で、その中の10品目に「アクリフーズ群馬工場」の表示がなかった。食品衛生法では原則として製造者名の表示が義務付けられているが、あらかじめ消費者庁に届け出た「製造所固有記号」を表示すれば、販売者名のみで製造者名は表示しなくてもいいことになっている。
アクリフーズは昨年12月29日に開いた緊急会見で、表示のないPB商品があることは説明したが、翌日の朝刊に出した社告や自社ウェブサイトでは、回収対象商品を「商品の裏にアクリフーズ群馬工場と記載されている全商品」とした。これでは、工場名のないPB商品は回収対象かどうか分からない。中には「アクリフーズと書いてないから大丈夫」と思い、回収対象のPB商品を食べた人もいるかもしれない。