政府は4日、外国人労働者を幅広く受け入れる検討に本格着手した。まずは公共事業の増加と東京五輪の対応で人手不足が深刻な建設業界を対象に緊急対策を決定。今後は介護や家事支援、農林水産業や製造業など経済界全般での対応で検討を急ぐ。日本の産業構造が変化するなか、経済成長に向けた外国人の活用は避けて通れない検討課題で、建設業での取り組みがその試金石となりそうだ。
先行した建設業の緊急対策を法務省は「東京五輪までのセーフティーネット」と位置づける。滞在期間が最長3年の外国人技能実習制度を、法相指定の在留資格である特定活動で2年間、延長して連続5年間とし、再入国を可能とし、最長3年間の滞在を認める。
政府の試算では、2015~20年度の6年間で建設業界は延べ15万人の人材が不足、最大7万人を外国人でカバーできる。技能実習制度で滞在する外国人は現在、約1万5000人だが、年間で約1万1000人が上乗せされる計算となる。大半が中国人やベトナム人となり、新たに国土交通省が立ち入り検査などで管理・指導を徹底することになった。