タンパク源の豚肉とビタミン源のピーマンを組み合わせた「酢豚」(手前左)は筋肉を効率よく作るのに適した料理だ。家庭で作るのが面倒なら、外食や中食を利用するのもいい【拡大】
エネルギーや栄養素の摂取量の目安を示す「日本人の食事摂取基準」。報告書が取りまとめられた平成27年版では、初めて高齢者の低栄養や栄養欠乏に警鐘を鳴らす内容となった。中高年以上の食事では食べ過ぎによる過剰栄養に注意が向けられがちだが、高齢者では適切な栄養が取れていないことが大きな健康問題の原因となっている。加齢とともに食べる量が少なくなるだけに、必要な栄養素を意識的に取る工夫が必要だ。(平沢裕子)
脱ワンパターン
高齢者の低栄養が問題となるのは認知症や転倒と並んで、要介護状態となる原因なためだ。中でも「サルコペニア」と呼ばれる老化に伴って筋肉量が減少する現象は、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を引き起こす最初のきっかけの一つとして注目されている。