反対討論する小池晃議員=18日、参院本会議(しんぶん赤旗提供)【拡大】
■社会保障削減路線への転換許すな
18日の参議院本会議で医療・介護総合確保法案が可決・成立しました。介護保険法や医療法の、制定以来の大改革の法案にもかかわらず、法案審議は決して十分なものではありませんでした。
◆法案根拠崩壊にもかかわらず
参議院での審議で、介護保険利用料を2割負担に引き上げる根拠は完全に崩壊しました。政府は、負担引き上げの対象となる年金収入280万円の世帯では、平均的な消費支出をしても年間60万円が余るので、2割負担は可能だということを唯一の論拠にしていました。しかし、私がデータの誤りを指摘したのに対して、政府はそれを認め、60万円余るという説明は撤回し、大臣が「反省している」と述べたのです。それにもかかわらず、自民・公明は採決を強行したのです。
要支援者への訪問・通所介護を保険給付から外すことについても、大きな問題点が明らかになりました。政府は、地域支援事業になっても適切なサービスが維持されると弁解しましたが、今回の制度改変により、要支援者への給付費の伸び率5.6%を3.7%に抑制することになります。その結果2035年度での給付抑制は2600億円に上ります。大規模な給付費削減が、介護サービスを量質ともに低下させることは明白なのです。
◆特養ホームの入所制限にも道理なし
特別養護老人ホームへの入所対象を要介護3以上に限定することにも、何の道理もありません。52万人の特養待機者のうち17万8000人は「要介護1、2」です。現在でもこうした方々は、入所待ちの行列に並んでも後回しにされていますが、今後は行列に並ぶことすら許されなくなってしまいます。