コメの販売手法が多様化している。おいしさを数値化して価格を決めるブランドが評判なほか、「個食」化に対応した少量入りで鮮度の維持を重視したタイプも人気だ。銘柄や産地名だけに依存しない販売の工夫で、低迷するコメ消費のてこ入れを図っている。
100点満点で
「客観的な数値で評価されているので分かりやすくていい」。1日3食コメを食べるという堺市の税理士、小泉崇さん(38)=仮名=は、「米風土」ブランドのコメをインターネット通信販売で購入している。コメのおいしさを100点満点で評価する「食味値」を導入しているブランドだ。
スーパーなどで銘柄米を買っていたが、さらにおいしいコメを求めて米風土に注目した小泉さん。「銘柄や産地は見ずに食味値が80点台後半のものを中心に購入している。北陸や新潟など米どころでなくても甘みやつやのあるコメがいっぱいあって驚いた」と話す。農作物の企画販売、あっぷふぁーむソリューションズ(東京都港区)が今年秋から本格展開している米風土ブランドは、「お米のソムリエ」を認定する米・食味鑑定士協会(大阪市淀川区)が毎年開く新米のコンクールで食味値が一定以上の評価を受けたコメを取り扱っている。価格はコンクール時の食味値を基に決める。