夏の風物詩、盆踊りのにぎやかな音楽や太鼓の音などを、騒音と感じる人が増えているようだ。盆踊りはかつて地域住民の連帯感の象徴だったが、次第に観光化した所もあり、「うるさい」などと苦情が寄せられるようになった。騒音対策が課題となり、踊り手がイヤホンで音楽を聴きながら踊る「無音盆踊り」を開催する地域もある。(村島有紀)
無音の踊りの輪
愛知県東海市で開かれる夏祭り「ザ・おおた・ジャンプフェスティバル」では平成21年から、盆踊りの一部を無音にした。音楽をFMトランスミッター(電波送信機)を使って半径約100メートルの範囲に電波で飛ばし、踊り手はそれぞれが持参した携帯ラジオとイヤホンで音を聴きながら踊る。
商店主などで組織する同夏祭り実行委員会の大会長、森岡厚さん(53)は「夜通し踊れる盆踊りが理想だが、周辺住民への配慮から騒音対策も必要だ。まちおこしの集客も兼ねており、多くの人が参加できる形を模索した」と話す。