書店には「マイナンバー」関連の書籍がずらりと並んでいるが…【拡大】
【早坂礼子の経済ウオッチング】マイナンバー(1)
マイナンバー制度、正しくは「社会保障・税番号制度」がこの秋から動き出す。個人と法人に個別の番号を割り振って行政事務の効率化を図るという。システム開発などの関連業界は特需を期待するが、国民の認知度はこれからだ。制度の本当の狙いやメリットとは-。
唯一無二の生涯番号
今年10月、住民票のある市町村から各世帯に簡易書留が届く。中には上質紙製の「マイナンバー通知カード」が赤ちゃんからお年寄りまで世帯構成員分入っている。それぞれのカードには偽造防止のための透かし技術が施されており、本人の氏名、住所、生年月日、性別、発行日とともに12ケタの数字が記されている。
数字は家族や住んでいる地域などとは全く関連性のない乱数で、ひとつとして同じものはない。個人を特定する唯一無二の番号で、死ぬまで変わらず死亡時には他者に使い回すことなく永久欠番になる。
このカードを大事に保管し、来年1月以降、本人の顔写真とともに市長村の窓口に持参すれば、引き替えにICチップが埋め込まれたクレジットカード大の「個人番号カード」が無料で交付される。表面には顔写真と住所、氏名、生年月日、有効期間とセキュリティコードなどが、裏面にはマイナンバーが記されている。