「顧問業」シニア活用の新機軸に ベンチャー・中小からニーズ、定年後も活躍 (1/5ページ)

顧問サービスを手掛けるサイエストが開いた勉強会。顧問同士の情報交換や質の向上に向け定期的に開催している=東京都港区(同社提供)
顧問サービスを手掛けるサイエストが開いた勉強会。顧問同士の情報交換や質の向上に向け定期的に開催している=東京都港区(同社提供)【拡大】

 ベンチャーや中小企業に、経験豊かな退職者を顧問として紹介するサービスが注目を集めている。円高不況やバブル崩壊、その後の長期デフレなど厳しい経済環境の経験の蓄積を「社会に還元したい」と考えるシニア層と、「低コストで高度な能力を持つ人材が欲しい」という経営者のニーズがかみ合った形だ。少子高齢化に伴う労働需給の変化を背景に、退職で引退する従来の働き方のスタイルが大きく変わってきている。

                  ◇

 ◆知識よりも実体験

 「3店舗は閉めて、2店舗は売り手に返しましょう。残り5店舗は手を入れれば大丈夫」

 あるIT企業は業容を拡大しようと、フランチャイズのアパレルショップを10店舗買った。ところが経営は赤字続き。困り果てていたところにやってきたのが、顧問の水野唯広さん(63)だ。財務諸表をチェックし、全ての店舗に足を運ぶと、水野さんは社長にそう助言した。

 水野さんは現在、人材サービスのインテリジェンスの顧問サービス事業「アイコモンカンパニー」に所属して働いている。アイコモンには上場企業の役員経験者や専門家ら約7000人のシニアが登録。平均年齢は60.9歳だ。

 水野さんは日本マクドナルドに約30年、タリーズコーヒージャパンに8年勤め、店舗開発の専門家としてキャリアを積み上げてきた。定年後は複数の顧問サービス会社に登録。これまでに飲食チェーン、学習塾、フィットネスなど多彩な店舗開発を支援している。