【高論卓説】腸内細菌とメンタルヘルス 乳酸菌がストレス緩和にも効果 (2/3ページ)

2016.11.10 05:00

 すると、LcS摂取群では、試験のストレスによる腹痛や頭痛、全身の倦怠(けんたい)感といった体調不良の頻度が低下した。また、試験直前には、唾液(だえき)中のコルチゾールの上昇が抑えられた。

 これらの結果から、「ストレスによる身体症状の出現をLcS含有の乳酸菌飲料の摂取により予防・緩和できる可能性が示唆された」と、西田准教授。ストレスの指標(バイオマーカー)であるコルチゾールの上昇や遺伝子発現の変化も抑制していたことから、「整腸作用のみならず身体のストレス応答反応を緩和している可能性」もあるという。

 一方、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部の功刀浩部長らが、鬱病患者(43人)に行った腸内細菌叢の解析では、健常者(57人)に比べ、ビフィズス菌やラクトバチルスが少ないことが分かった。

 それぞれの菌について一定の閾値(しきいち)を設定すると、患者では両菌において閾値未満の頻度が高く、鬱病のリスク因子になることが分かった。また、ヨーグルトなどの摂取量が少ない人は、ビフィズス菌が少ないことも観察された。

 さらに、イランの鬱病患者を対象とした研究では、ラクトバチルスやビフィズス菌を含むプロバイオティクス製品を8週間取った群(20人)とプラセボ群(同)とを比べたところ、プロバイオティクス摂取群は鬱病の症状改善度が高かった。また、耐糖能の指標なども改善していたという。

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