少子高齢化が進む中で貴重な働き手を確保しようと、各地の自治体が地場企業への就職につながる支援策を続々と打ち出している。雇用環境の好転や若者の大都市志向もあり、地方の企業では人材確保が重要な経営課題として浮上。若者の心をつかもうと、県外からの就職者に奨励金を出す取り組みもある。
製造に支障も
地元に帰って働く人に最高30万円払います-。佐賀県は5月中旬、思い切った施策を打ち出した。対象は500人で、予算約9000万円を用意した。山口祥義知事は「人材流出県から脱却したい」と狙いを説明する。
県外からの「UJIターン」希望者のうち、特定の就職情報サイトに登録する企業に正社員として入社する35歳以下が対象。初任給の格差や引っ越し費用を考慮し、学校などが九州なら10万円、沖縄と関西・中国・四国からは20万円、より遠い地域からは30万円とした。