【書評】『ヘンな浮世絵 歌川広景のお笑い江戸名所』


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 ■思わず脱力のユニークな絵柄

 江戸後期の浮世絵師、歌川広重の弟子とされるが、謎に包まれた絵師、歌川広景(ひろかげ)。本書はその代表作「江戸名所道戯尽(どうけづくし)」全50枚を紹介し、広景の全貌に迫っている。

 《そのばかばかしさが大きな特色》というように、江戸の名所を舞台に思わず脱力するユニークな絵柄の数々。野良犬の喧嘩(けんか)、鳶の油揚げ泥棒、鰻の脱走劇など「動物たちが大さわぎ」や、「とんだ大失敗」「お笑いな日常」など7テーマに分類し、解説する。「変顔」ともいえる表情、着想も豊か。安政~文久年間の制作で幕末の不穏な時代だからこそ好まれた-との見方もあり、興味深い。(太田記念美術館・監修 日野原健司・著/1836円、平凡社)

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