採用指針、過半「支持せず」 経団連調査 20年春卒影響も

 経団連は24日、会員の大企業を対象にした採用活動に関するアンケート結果を発表した。経団連が定める「採用選考に関する指針」について、会社説明会や面接の解禁時期の規定削除や、指針自体の廃止を求める回答が半数を超えた。今の大学2年生が対象となる2020年春卒業からの解禁時期は未定で、今後の就職活動をめぐる議論に影響を与える可能性もある。

 中長期的な指針の在り方について尋ねたところ、「説明会や、面接開始時期の規定は削除すべきだ」の42.1%が最多で、「指針を廃止し、自由な採用活動を認めるべきだ」の9.0%と合わせると50%を超えた。

 現行の指針内容を支持する企業は26.9%にとどまった。「指針を廃止し、政府がルールを定めるべきだ」との回答も7.9%あった。

 今の大学3年生が対象の19年春卒業の日程は、説明会が「3年生の3月以降」で面接などは「4年生の6月以降」と決まっている。ただ経団連の非会員企業は指針に縛られずに採用活動ができ、会員企業も水面下で学生と接触するケースが多く、ルールの形骸化を指摘する声が多い。

 調査は1339社に実施し、553社から回答を得た。