パーキンソン病の創薬期待 山形大医学部、一部患者に遺伝子欠損確認

 山形大医学部の研究チームは、神経難病パーキンソン病の一部患者に、細胞核に存在する「ミドノリン」という遺伝子の欠損があることを確認したと明らかにした。発症原因の一つになっている可能性があり、小原祐太郎准教授(薬理学)は「分子レベルでメカニズムを解明し、創薬のきっかけにしたい」としている。

 研究チームによると、手足の震えなどが起きるパーキンソン病は約1000人に1人の割合で発症。親や兄弟に患者がいない「孤発性」というタイプは、複数の発症原因があると考えられるが詳しくは分かっていない。

 研究チームは山形県で健常者100人と孤発性の患者86人の血液を解析。患者の10.5%に当たる9人にミドノリンの欠損が認められた。健常者に欠損はなかった。ミドノリンの不足で、神経細胞のネットワークがうまく構築できなくなるほか、原因遺伝子「パーキン」が減少。細胞内の不良タンパク質が分解されずに蓄積され、パーキンソン病の発症や症状進行を引き起こしている可能性があるという。