【大雪】新潟市西区ルポ 宅配便停止、区バス運休 混乱続くも、住民ら協力 (1/2ページ)

雪道で動けなくなった車。タイヤの前後に砂と板を置き、大学生が脱出を手助けした=16日、新潟市西区
雪道で動けなくなった車。タイヤの前後に砂と板を置き、大学生が脱出を手助けした=16日、新潟市西区【拡大】

  • 生活道路には大型の除雪車が入れず、小型のショベルカーで除雪が進められている

 8年ぶりの大雪となった新潟市では、幹線道路以外は雪が残ったままのところが多く、中でも坂道や幅の狭い道路が多い西区では16日も市民らが除雪作業に追われた。宅配便大手のヤマト運輸は、西区に配達する荷物の全国での受け付け中止を16日も継続。西区内を走る区バスの「中野小屋ルート」は16日も運休した。市民生活への影響が続く西区の現状を取材した。(太田泰)

■パトカー動けず

 午前11時半前、JR新潟大学前駅で電車から降りると、大学生らが足早にキャンパスへと歩いていた。新大へと続く幅が比較的広い道路は積もった雪がほぼ取り除かれ、車の流れもスムーズだ。しかし、生活道路に入ると除雪はほとんど進んでいない。

 新大に向かう途中、パトカーが赤色灯を付けながら脇道に入っていった。後を追うと、ワゴン車が雪道で動けなくなっていた。ドライバーと警察官が協力して脱出に成功したものの、今度はパトカーが立ち往生する事態に。周辺の道路では動けなくなった軽乗用車があちこちにあり、取材の傍ら、昼過ぎまでに3台の車を押して手助けした。

 坂道で立ち往生した車の脱出に力を合わせている男性2人がいた。路地で雪かきをしていた住民(82)と、車で加茂市から通学途中だった新大2年の田代知也さん(21)だ。タイヤの前後に砂をまき、板も置いて摩擦力を高める方法で、見事に車は動き出した。