【2018春闘】労使トップ会談、賃上げ一致も手法で隔たり 中小対応は平行線

 経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長が23日、東京都内で会談し、2018年春闘が本格化した。両氏は賃上げや働き方改革の重要性で一致。だが、賃上げの手法や中小企業への対応で隔たりがあり、厳しい交渉になる可能性が高い。

 会談で榊原氏は「(安倍政権が要請している)3%を社会的な期待として意識し、前向きな対応をしてほしいと呼び掛けている」と強調。神津氏は「労組がない企業も含め、社会全体に賃上げを広げる」と述べた。

 今春闘は昨年を上回る賃上げ実現が焦点。ただ連合が、ベースアップ(ベア)2%を含めた月例賃金の4%引き上げを求めているのに対し、経団連はベアだけでなく子育て世代への手当拡充、介護手当の新設なども含めた年収ベースの賃上げを企業ごとに検討すべきだと、温度差がある。

 また、中小企業の賃上げでも意見が割れた。連合は、大企業との格差を是正するため、中小企業の賃上げ率が大手を上回ることが重要とし、月例賃金1万500円の引き上げを求めた。これに対し、経団連は中小企業の支払い能力の観点から乖離(かいり)している額だと問題視。議論は平行線のまま終わり、今後の争点になりそうだ。

 今春闘は、各労組が2月中旬に要求書を経営側に提出、3月中旬に大手の回答が集中するヤマ場を迎える。