子連れ出勤OK、じわり浸透 ベンチャーなど柔軟な働き方採用 (1/2ページ)

 ベンチャーを中心に「子連れ出勤」を認める企業が現れている。子供が遊ぶスペースを作るなどオフィス環境を工夫。女性の仕事と子育ての両立を支援し、経験を積んだ女性社員を戦力として生かす狙いがある。

 東京都目黒区の一戸建て住宅にオフィスを置き、企業のインターネット広告支援を手掛ける「ライフルファム」は、社員20人全員が近くに住む母親だ。1週間の勤務日数は正社員、パートなど勤務形態によって異なるが、出勤は必ず子連れだ。

 家の中に子供の遊び部屋を設け、子供は自由に職場に出入りできる。パソコンに向かって仕事をする母親の膝に子供がよじ登り、「ママ、だっこ」とせがむのは日常の光景だ。

 秋庭麻衣社長は不動産情報サイトを運営する「ライフル」(東京)で育休後に復職。働く母親をサポートしようと、2014年に社内ベンチャーとして設立した。「子供が普段通り遊べるように、周囲に音の迷惑を掛ける心配が少ない一戸建てを選んだ」と話す。

 社員の山本静奈さん(33)は2歳の女の子を連れて週3、4日出勤する。出産を機に以前勤めていた会社を辞めたが将来、本格的に復職するために経験を積んでいる。「娘は友達ができて楽しそう。忙しいときはほかのママが相手をしてくれるから安心」と話す。

 旅行など体験型ギフトを販売するソウ・エクスペリエンス(東京)は約50人の社員のうち十数人が子連れで出勤する。オフィス内はカーペットを敷いて土足禁止。子供は机の間を動き回り、玩具などで遊ぶ。

「お金をかけずに、社員が少しずつ協力すればできる」