がん治療 仕事との両立 広がる支援制度

重粒子線を照射する治療室
重粒子線を照射する治療室【拡大】

 治療と仕事の両立を支援する社内制度などを整備する動きが広がってきた。企業の狙いや背景についてQ&Aでまとめた。

 --サントリーホールディングスが、社員のがん治療の費用を支援する制度を導入する

 「がん治療の中でも先進医療に指定されている治療を受ける社員の治療費を支援する」

 --どのような治療なのか

 「重粒子線治療という放射線を使った治療の一種。一般的なエックス線治療と比べて効率的にがん細胞を攻撃できるから、正常な組織への損傷を最小限にできると言われている。しかし、医療保険の対象になるがんの種類が限られていて、自費だと300万円くらいかかる」

 --サントリーは支援の原資をどうするのか

 「働き方改革で減らした社員の残業代を充てる。サントリーでは、残業時間を減らすためのさまざまな取り組みを進めており、管理職以外の昨年の平均残業時間が前年より年間で13時間、月平均1.1時間減った」

 --他の企業は

 「闘病社員を支援する企業が増えている。大和証券グループ本社は1日1時間まで取得可能な『治療サポート時間』を設けたり、勤務形態も柔軟に対応したりしている。伊藤忠商事も無料のがん検診や先進医療の補助制度を導入している」

 --制度導入の背景は

 「2016年に改正がん対策基本法が施行され、社員ががんになっても仕事を続けられるよう企業に配慮を求める努力義務が課された。また『健康経営』という、社員の健康を重視する経営手法があり、社員に健康で働き続けてもらうことが、企業経営に大きなメリットをもたらすという考え方が広がっていることもある」