AI技術者、業種越え争奪戦 求人6倍、米中企業も高報酬で引き抜き狙う (1/3ページ)

 採用現場が売り手優位の様相を強める中、企業は人材確保に苦労している。特に人工知能(AI)やビッグデータを扱える技術者は業種を越えて引っ張りだこで、転職市場の求人倍率は6倍前後に達する。安定より自由な研究環境を重視する技術者気質を見越した、あの手この手の争奪合戦が繰り広げられている。

 20年に4.8万人不足

 「AIや『テック系』の人材とはカルチャーが違いすぎる」。証券最大手の野村ホールディングス幹部は、採用の難しさの一端を明かす。高度な金融サービスを展開する上でAI人材の増員が急務だが、堅苦しいイメージの金融機関に飛び込んでくる技術者はまだ少ない。「金融業界に興味を持ってもらうのが第一歩で、私の場合はスーツを着ないことから始めている」と苦笑いする。

 転職サイト運営のリクルートキャリア(東京)によると、AI分野を含むITエンジニアの2月の転職求人倍率は3.70倍で、全職種の1.80倍を大きく上回った。インターネット専門職に限ると、6倍前後の高水準が続く。

 先端的なIT人材は、AIの活用が進んだことで活躍の場が金融や流通、製造業に拡大した。2020年には「約4万8000人不足する」(経済産業省)との試算もある。高報酬を提示して引き抜きを狙う米国や中国の企業も目立ち、獲得競争は激しさを増している。

採用現場は必死だ。富士通は…