アルツハイマー予防薬期待 理化学研究所がゲノム編集で原因物質の減少確認

 特定の遺伝子領域が失われると、アルツハイマー病の原因物質が蓄積しにくくなることが分かったと理化学研究所のチームが発表した。遺伝子を自由に改変できるゲノム編集技術を使ったマウスの実験で発見した。

 理研の西道隆臣チームリーダー(神経科学)は「特定の遺伝子の働きを抑える『核酸医薬』によって、アルツハイマー病の発症を予防できる可能性がある」と話している。

 アルツハイマー病は、アミロイドベータという老廃物が脳に蓄積し、神経細胞が死滅することが原因で発症するとされる。

 チームは、研究に利用するアルツハイマー病になりやすいマウスの開発を目指し、さまざまな遺伝子改変マウスをつくった。その中に偶然、逆にアミロイドベータがほとんど蓄積しないマウスを発見。このマウスは、アミロイドベータの元になるタンパク質を作る遺伝子の一部の領域が失われていた。

 マウスの受精卵をゲノム編集する実験で、詳細に調べたところ、この領域にある34塩基をなくすと、原因物質が蓄積しにくくなった。人にも同様の領域があり、薬の開発に応用できる可能性があるという。