百寿者、心の健康 幸福感維持している人が多い理由とは (1/3ページ)

面会した百寿者は2千人を超える。「幸せそうな人が多く、最初は不思議でした」と話す権藤恭之准教授=大阪府吹田市の大阪大
面会した百寿者は2千人を超える。「幸せそうな人が多く、最初は不思議でした」と話す権藤恭之准教授=大阪府吹田市の大阪大【拡大】

 「100歳時代」と聞いて、どんな未来の自分を想像するだろうか。期待よりも、健康や生活への不安の方が大きいかもしれない。大阪大大学院人間科学研究科の権藤恭之准教授は、100歳以上の高齢者(百寿者)の心理をひもとく調査に取り組んでいる。その結果、多くの百寿者が“幸福感”を維持していることが分かってきた。老いと幸せについて考えるヒントになりそうだ。(宮田奈津子)

 ◆高まる「良い感情」

 「幸せですか?」。権藤准教授は100歳の女性に問いかけた。女性は脳梗塞の影響で寝たきりになっていた。娘と2人暮らしで介護を受けているが、「体はダメになったけれど、娘の話し相手になってあげられる」と答えたという。

 「『世話になって申し訳ない』といった気持ちがあると想定し、質問で落ち込ませてしまうと躊躇(ちゅうちょ)していたので驚いた。百寿者の多くが自身の存在意義を見いだし、幸せそうにしている姿が不思議だった」と研究開始当初を振り返る。

 権藤准教授らは平成12年から、2千人以上の百寿者の生活について、面会を中心にした調査を続けている。同時に70歳以上の身体機能や心の変化を追跡。社会的役割の喪失や体の衰えといった出来事に直面する一方で、心はどのように変化し、100歳を迎えているのか、調査・分析している。

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