ネット依存の中高生93万人、厚労省研究班が公表 学校欠席などの恐れ

ネット依存のイメージ写真。スマートフォンを暗闇で見る人(宮崎瑞穂撮影)
ネット依存のイメージ写真。スマートフォンを暗闇で見る人(宮崎瑞穂撮影)【拡大】

  • インターネット依存の実態調査結果について発表する、厚生労働省研究班の尾崎米厚鳥取大教授(奥左)ら=31日午後、厚労省

 病的なインターネット依存が疑われる中高生が5年間でほぼ倍増し、全国で推計93万人に上ることが、31日に公表された厚生労働省研究班(代表・尾崎米厚鳥取大教授)の調査で分かった。スマートフォンなどを使ったオンラインゲームや会員制交流サイト(SNS)の普及が影響を与えたとみられる。学校を欠席したり睡眠障害につながる恐れもあり、対策が急務だ。

 研究班は昨年12月~今年2月、全国の中学48校・高校55校から計6万4417人の回答を得た。ネット依存に関しての質問は平成24年以来2回目。

 「ネットをやめようとしたがうまくいかなかった」「大切な人間関係を台無しにした」などネット依存に関する8項目の質問に5個以上当てはまる人を、ネットの「病的使用」と位置付けた。その結果、中学男子の10.6%(前回4.4%)、女子の14.3%(同7.7%)、高校男子13.2%(同7.6%)、女子18.9%(同11.2%)が該当した。推計では93万人で、前回の調査の51万人からほぼ倍増した。

 質問に3~4個当てはまる人を「不適応使用」とし、これら予備軍を含めると計254万人に上る。女子の方が高い傾向にあるが、研究班は「メールなどSNSに没頭する女子が多い」としている。

 ネット依存で問題を起こした経験の中では、「成績低下」が5割と最多で、次いで「居眠り」「遅刻」「友達とのトラブル」の順だった。