「就活ルール廃止」反応“三者三様” 先手打つ外資、警戒する経団連、中小は死活問題に (1/2ページ)

就職活動が解禁され、各企業のブースに集まる学生たち=3月
就職活動が解禁され、各企業のブースに集まる学生たち=3月【拡大】

 就職活動の解禁時期などを定めた採用指針の廃止に言及した前日の中西宏明・経団連会長の発言の波紋が4日、企業や政界などに広がった。経済同友会の小林喜光代表幹事は同日の定例記者会見で、採用指針をめぐる議論に「一石を投じたことを前向きに評価したい」と述べた。一方、中小企業を会員とする日本商工会議所の三村明夫会頭は、人材獲得競争の激化を懸念し廃止には反対の姿勢。企業の中でも賛否が分かれる指針廃止を持ち出した中西氏の真意はどこにあるのか。

 「一斉にエントリーするやり方で優秀な人材は採れない」(中西会長)、「グローバルな規範で採用をした方がいい」(小林代表幹事)と、採用指針の廃止に前向きな財界トップはいずれも、企業の競争力強化に言及する。だが、ある調査機関の専門家は「大企業は本音では、国内の外資系に優秀な人材が流れていることを警戒している」と明かす。

 東大、京大生の人気ランキングでは近年、ボストンコンサルティンググループ、ゴールドマンサックス証券といった世界的な経営コンサルや投資銀行が上位に位置する。「同じ東大でも、名門高校出身者が集まる」(業界関係者)とも言われ、国内の有名大企業すら優秀な人材の獲得で競り負けている実態が浮かび上がる。

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