【道標】経団連「就活ルール廃止」意向 中小に厳しい環境…「目安」は維持か (1/2ページ)


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 経団連の中西宏明会長が就活ルール廃止の意向を明らかにした。新卒採用のスケジュールは事前に相応の調整をした上で決定事項として発表されることが多い。今回は「個人的な考え」を定例記者会見で表明、大学や文部科学省にとって「寝耳に水」であることも極めて異例だ。影響が大きいため「意向」として示し、関係各所の反応を見る狙いもあったのだろう。

 中西氏の言い分にも理はある。ルールを設けて、ほぼ同じタイミングで一括採用するのは、グローバルスタンダードからみれば奇異に映る。国際派で知られる中西氏にとって、採用の自由化は長年の持論を述べたにすぎない。

 とはいえ、新卒採用をするのはグローバル企業ばかりではない。就職する学生の割合からすれば、少数派だ。通年採用(厳密には通年選考)になれば、中堅・中小企業にとっては厳しい採用環境となる。時期を変えて何度も学生がトライできるため、人気の高い企業群の採用枠が完全に埋まらないうちは、通年で辞退される可能性があるからだ。

 グローバル企業にとって、日本のローカルルールが足かせになるのは確かだが、それが全体として最適になるわけではない。学生にも同様のことがいえる。自らの就活時期を勝手に決められることに違和感を覚える学生がいる一方で、多くの学生は「いつでもどうぞ!」と言われたら途方に暮れてしまう。社会的成熟度が高く、将来計画が明確な一部の学生に適したスタイルであっても、全体の最適にはなり得ない。

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