「食と健康」で共同研究 滋賀医大と長浜バイオ大が包括協定

包括協定に調印した滋賀医大の塩田浩平学長(左から2人目)と長浜バイオ大の蔡晃植学長(同3人目)
包括協定に調印した滋賀医大の塩田浩平学長(左から2人目)と長浜バイオ大の蔡晃植学長(同3人目)【拡大】

 滋賀医大(大津市)と長浜バイオ大(滋賀県長浜市)は、教育や研究での連携をさらに進める包括協定を結んだ。両大学の強みを持ち寄り、「食と健康」をテーマにした研究の推進を図るほか、人工知能(AI)が自ら学習するディープラーニング(深層学習)技術、データサイエンスの医療分野への応用などを目指す。

 包括協定の締結に基づいて、両大学の共同研究を推進するための共同研究協議会を年度内に設置する。

 滋賀医大は地域の医療拠点としての実績を生かした臨床研究や、健康問題と生活習慣との相関を統計的に調べる「疫学」を強みとする。一方、長浜バイオ大はAIを用いたゲノム(全遺伝情報)解析などのデータサイエンス、ディープラーニングといった生命情報科学分野に力を入れている。

 研究面では今後、長浜バイオ大が特定した動物の血圧を下げる作用のある物質を含む食べ物について、滋賀医大が霊長類を使った前臨床研究を行い、人間にも効果があるかを検証するなど、「医と食に関する共同研究を進める」(滋賀医大の塩田浩平学長)考えだ。

 教育面でも人的な交流などを進め、定期的なシンポジウムの開催や地域住民と協力したイベントなども検討しているという。

 調印式で、長浜バイオ大の蔡晃植学長は「地域への貢献などの目的は共通している。注力している分野や性格が違う大学同士だからこそ、高い相乗効果が見込める」と期待を語った。

 両大学はこれまでも新型インフルエンザについての共同研究のほか、人体や脳のコンピューターグラフィック教材の開発や教員の相互交流を行ってきたが、包括協定の締結を機に、さらに協力関係を強化する。