話を下院議員時代のケネディまで進める。昭和26(1951)年に来日したケネディは、花見氏との面会を希望する。花見氏は当時、福島県塩川町(現・喜多方市)の町長となっていた。翌日に日本出国を控えていたため会えなかったが、手紙での交誼は続く。
《昨日の敵は今日の友》
ケネディが花見氏に送った手紙の一節である。時は過ぎ、ケネディは大統領選挙出馬を決意する。
天霧乗組員が選挙応援
元高千穂商科大学教授の名越二荒之助(なごし・ふたらのすけ)氏(1923~2007年)の著書などによると、ケネディは花見氏に、大統領選の応援を頼んだ。だが、氏は多忙のため行けず、天霧の乗組員を派遣する。結果は歴史上、大統領になったことがないカトリック教徒のケネディが、得票率で1%にはるかに満たない極極(ごくごく)僅差ながら、多数派の非カトリック系キリスト教徒の、しかも時の副大統領リチャード・ニクソン(1913~94年/後に37代大統領)に辛勝する。