パーフェクトの演技
全日本でのノブ(織田信成選手)の引退にも泣いた。あんなに大勢の前で幸せな引き際だったと思う。僕にとっては、いつも関大で一緒に練習してきた当たり前が当たり前でなくなるのか…と引退をリアルに感じ、微妙な気持ちになった。ノブがいたからこそ僕はここまでがんばれたし、関大にリンクも作ってもらえたと思う。ノブには本当に感謝している。
「若い選手に譲る」と言って引退したノブとは対照的な道を選んでいるからこそ、ソチオリンピックは覚悟を持って臨まなければならない。自分の強さを試される正念場、こんなに覚悟を持って臨む試合はこれまでにない。プレッシャーをかけているわけではなく、これは僕の現実。
オリンピックではパーフェクトの演技をする。その評価が金メダルにつながらなければ、それは仕方のないこととして受け入れる。あと1カ月、必ずできると信じて“必死”にやるのみ。(構成:フリーライター かしわぎ なおこ/撮影:フォトグラファー 渡辺真一/SANKEI EXPRESS)