【湘南の風 古都の波】
海岸に出ると、風が一段と強くなる。温暖なはずの鎌倉でも、今年の冬は例年になく厳しい。
夕日が沈む海で、それでもサーファーたちは波を待っていた。
寒いのは当たり前…ではあるけれど、今年は2月に入ってますます風の冷たさが身にしみる。
首都圏を銀世界に変えた2月8日の大雪では、JR横須賀線が止まって鎌倉は陸の孤島状態になった。短時間だったが断続的な停電があり、心細い思いをした人も多かったようだ。真っ暗な部屋にぽつんと取り残されると、3年前の東日本大震災の後の計画停電の記憶がよみがえる。
いつもは観光客でにぎわう小町通りに人影がぱったりと途絶え、春先の少し暖かい日でも海岸を散歩する気にはなれない。ついこの間のことなのに、もう忘れかけている。雪の夜の停電で、そのことに改めて気付かされる…。
あの日から3周年となる3月11日、鶴岡八幡宮では神道、仏教、キリスト教合同の東日本大震災追悼・復興祈願祭が執り行われる。鎌倉で3つの宗教が一緒になり、初めて東日本大震災の犠牲者追悼と被災地の復興を祈願したのは、震災から1カ月後の4月11日だった。会場は今回と同じ鶴岡八幡宮境内である。