原発から約30キロ圏の自治体が作成する原発事故の避難計画について、対象自治体(福島県地域を除く)122市町村のうち、約35%の43自治体が今年度内に策定できないことが3月4日、産経新聞社の調査で分かった。一方、再稼働に向けた原子力規制委員会の安全審査が先行している九州電力玄海(佐賀県)、関西電力大飯(福井県)など6原発の周辺自治体では、すべて年度内の策定が見込まれており、再稼働に向けた準備は整いつつある。
年度内に策定できない地域は宮城、新潟、茨城、静岡の全地域で、青森でも一部が未策定。年度内の策定は計79自治体となり、策定率は約65%になる。昨年(2013年)末に原子力規制庁が調べた際は策定済みは53自治体にとどまっていた。
避難計画を含む防災計画の策定は、原子力災害対策特別措置法で義務付けられている。計画策定はこれまで8~10キロ圏に限られていたが、東京電力福島第1原発事故で30キロ圏に拡大、対象自治体も3倍となった。